2011年7月9日土曜日

いよいよオープンです!

待ちに待った「骨寺村荘園交流館」のオープンを明日に控え、今日は本寺のみなさん・一関市役所のみなさんに来ていただき朝から晩までにぎやかに準備を行いました。



ガランとしていた玄関ホールには、産地直売所用の棚が入り、続々と商品が並び始めています。
食堂では、色とりどりのエプロン、三角巾をした地元のお母さんたちが明日の仕込みに励んでいます。



5月に完成した新築ピカピカのこの建物にもここ数日で、様々な方が出入りされ、徐々に命が吹き込まれていくようです。


午前中に、中尊寺と交流のある小池敏雄さんが、木版刷りされたばかりの大長寿院西谷坊の護符を持ってきてくださり、玄関ホールの大黒柱に貼り納めていただきました。これからこの柱がご神木として、交流館とお客様を見守ってくれることになります。ご来館の際には、中央の大きな柱を見上げてみてくださいね。








20年以上も骨寺村の景観調査を行っている國學院大學の吉田敏弘教授は、ご自身の著書「骨寺村の歴史」のはしがきでこのようなことをおっしゃっています。


「この村には人々の耳目を驚かせるものは何一つありません。
それこそ、どこにでも存在するような農村風景が広がっているだけです。
(中略)
この村の魅力は、バスの車窓から眺めているだけではわからないでしょう。
たとえ1時間でも2時間でも歩いてみて、初めて了解できるたぐいの物なのです。
この村には、日本の多くの村では既に失われてしまった、前近代的な水田景観の要素が今も生きています。」


本寺地区のみなさんは、この場所が荘園として機能していた頃のくねくね曲がった田んぼを代々守り続けています。
一度壊してしまった自然環境は人間の力で元に戻すことはとても難しいことです。
3月の地震による原発事故で、そのことを深く考えた方も多いと思います。


清衡公が大きな希望を持って中尊寺を建立したその当時から変わらない景観を残しているこの場所を、次の世代の子供たちにも美しいまま渡していくこと、明日オープンする「骨寺村荘園交流館」にはこのような大きな役割もあると私たちは考えています。


どこにでもあるようで、掛け替えのない風景、”骨寺村荘園遺跡”。あなたの原風景に出会えるかもしれません。本寺地区一同で、お待ちしております!

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