月曜日から昨日までの3日間、東京から東京農業大学の多摩川源流大学というプロジェクトに参加されたみなさんが、本寺にいらっしゃいました。
来年度の実習プログラムの視察として、いろいろな体験をしていただきました。
静かな冬の本寺が、ぱっと賑やかになった3日間の様子をお伝えします。
≪1日目≫
まずは到着された皆さんと地元の人たちが、古曲田家で顔合わせです。
長旅の疲れも見せないあたりは、さすが若さですね。
実は、今回の皆さんの定宿が、この古曲田家になるのです。
本来なら2泊中1泊が古曲田家、1泊が各家庭で民泊していただく予定だったのですが、諸事情により古曲田家に2泊となりました。
古曲田家に泊るのは、みなさんが初めてです。
たろうも泊ったことはありません。
都会の人たちがこういう古民家に泊るってどんな感じなんだろう、不安半分、楽しみ半分です。
その後皆さんは、荘園内を散策しながら若神子亭を目指します。
雪深いこの時期なので、歩けるところも限られてしまいましたが、これもまたいい思い出と思っていただければ嬉しいですね。
若神子亭に着くと、早速の農村体験です。
この時期の体験といっても、畑仕事や田の仕事があるわけでもなく、必然的に作業は限られます。
しかし、それはとても大事な作業です。
そう、雪かきです。
若神子亭の南側、うず高く積まれた屋根雪の雪かきに取り掛かります。
初めて雪かきをする方もいらっしゃいましたが、なかなかどうして、みなさん手際良く雪を掻いていきます。
雪の山が、どんどん低くなって行きました。
昼食は、暖か~い南部一郎かぼちゃうどん。
ひと仕事した後で、食も進みます。
午後はさらに展示棟側の雪かきです。
屋根が大きいので、落ちて積もった雪の量もいっぱいです。
3時のおやつには、ホカホカのがんづきと味噌焼きおにぎり。
ラストスパートまでの鋭気を養います。
お腹が満たされると、再びペースも上がります。
おかげさまで、こんなに見通しが良くなりました。
(雪かき前)
(雪かき後)
(雪かき前)本当はもうちょっとありましたが
(雪かき後)
ひと息ついたら、みんな童心に還ったように雪と戯れていました。
大玉転がしが…
いつの間にやらバトルに発展。
肉体労働のあとでも、この元気!
さすが、若さですね。
このあと近くの温泉に入り、夜は歓迎会をして初日を終えました。
≪2日目≫
2日目は古曲田家で、田舎の冬の必需品、かんじき作りに挑戦します。
とは言っても、かんじきも最近はあまり使われなくなりましたが、これも都会では体験することのできないことですね。
地元でも数少ないかんじき作りの職人、菅原五郎さんがこの日の先生です。
まずは完成を手に、材料や構造の説明を受けます。
そしていよいよ、2人1組に分かれてかんじき作りに挑戦です。
最初は皆さん、手さぐり状態で取り掛かります。
要所要所で先生の指導を受けながら、着々と作業が進められます。
だんだんと、それっぽい形になってきましたね。
お昼ごはんも、学生さんたちが作りました。
地元のお母さんたちの指導のもと、はっと作りに挑戦です。
程よいくらいまで生地を練ったら、
これまた程よい大きさにちぎって鍋に入れます。
ちぎり方にもコツがあるようですよ。
体が温まる、本寺特有のみそ味はっとの出来上がりです(写真時ははっとが写っていませんが)。
先生や地元の人たちも交じって、美味しくいただきました。
午後の部に入り、だんだんと仕上げに入ります。
1つ、また1つと完成品もできてきました。
それにしても、皆さん手先が器用なんです。
ナタやのこぎりなどの道具も使い慣れているようで、本寺の人たちもビックリでした。
当初は数個できればという予想だったのですが、いい意味で期待を裏切ってくれました。
各組とも、2足目に取り掛かりました。
そしてとうとう、全員分のかんじきが完成しました。
パチパチパチ!
これで、翌日のかんじき体験に、みんな自分で作ったかんじきを履いて臨めます。
その後は、昨日同様瑞泉閣さんにお邪魔し、温泉で温まりました。
古曲田家に帰ってからは、自炊で夕食。
この日のディナーは、カレーライス。
お米はもちろん、骨寺荘園米です。
前日もこの日も、みなさん夜はぐっすりと寝られたようです。
意外と(?)快適だったようで、ホッとしています。
≪3日目≫
いよいよ最終日です。
朝ごはんも自炊です。
皆さん、残さず食べていただいたようです。
この日は、前日に作ったかんじきを履いて、荘園内の田んぼを歩きます。
古曲田家を発って、駒形根神社前の田んぼからスタートです。
たろうは、若神子亭から歩いて現地へ向かいました。
踏み固められていない所をかんじき無しで歩くのは、相当難儀でした。
駒形根神社前に着くころには、ゼーゼー息荒くなっていました。
遠目に見える皆さん。
何やら、相撲をとっているみたいですね。
やんちゃですね。
コーディネーターの人が履いているのは、塩ビパイプで作ったかんじき。
健康の森さんから借りてきました。
さあ、いよいよ出発です!
天気がよく、雪面に影がキレイに伸びていました。
田んぼの雪は、雪わたりができるほど固まっていたので、かんじきが効いてるのかどうか分かりづらいところではありますが…。
でも、所々でたろうが「ズボッ、ズボッ」と足を取られるところでも、かんじきを履いたみなさんはスイスイ歩いていましたね。
一歩一歩、感触を確かめながら歩きます。
はるか向こうでは、近所のEさんが木製のソリに堆肥を積んで運んでいました。
運よく、珍しい光景を見られましたね。
要所要所で、Mさんが骨寺村の解説をしてくれました。
かんじきを履いての雪上ビーチフラッグでは、転倒者が続出です。
まあ、走るためのものではないでしょうからね。
おかげで、いい画が撮れました(笑)。
キレイに見えた栗駒山を背にパチリ。
田んぼの真ん中から見る機会も、まずないですからね。
このアングルで見たのは、おそらく初でしょう。
なかなか接することのない一面雪の世界で、はしゃぐ皆さん。
いい思い出になりましたか?
若神子亭に着くと、地元の人たちを交えての反省会をしました。
体験する側、受け入れる側それぞれの意見を交換し、次回へとつなげていこうというところです。
最後にみなさんで、大きな寄せ書きを書きました。
2枚書いて、1枚は東京農大へ、1枚は本寺へ。
本寺にいただいた分は、皆さんが寝泊まりした古曲田家へ貼らせていただこうかなと思っています。
その後食堂で食事をとっていただき、東京農大の皆さんは本寺を後にしました。
今回の体験交流が、これから先ずっと続けていけるといいですね。
東京農大の皆さん、また本寺にいらしてください。
追伸
皆さんが滞在した3日間は、いい天気が続いたのが幸いでしたね。
皆さんが帰られ、今朝の本寺は大雪でした(+o+)
昼には雨になりましたが、重い屋根雪がドドっと落ちてきました。
また雪かきに来ませんか?